私たちは日々、正しいものとそうでないものを区別して生きています。
真実は「これだ」と思い、そう感じた瞬間からそれ以外のものは真実でないものというカテゴリー分けがなされてしまいます。
本当は真実も偽者もなくて全てがあるままの事実があるだけのことです。
事実は本来何の意味をも持ちません。ただそういう出来事が起きた（ている）というだけです。
それを私たちの心が真実だとか偽者だとか、正しい、間違っているという観念でカテゴリー分けしているだけのことです。
真実も偽者もありません。
あるのはそのままあるがままです。
しかし私たちはそれらに意味を付けずにはいられません。
これまで生きてきた経験則にのっとって、関連づけをしてしまうのです。
幼い頃からのしつけや教育などの親の価値観の受け入れであったり、学校での集団生活の中で養われた善悪の基準であったり、その土地、国の文化的習慣もあるでしょう。
これらのあなたがいままで身を置いてきた環境や状況によって生み出された、あなたならではの独自の価値観があなたの色メガネをつくりあげます。
事実はそのままが目の前にあるだけです。
それをいままで無意識のうちに自らが心にべったりとまとわりつけてしまった観念と言う色メガネを通して見てしまうから、それが真実になったり偽者に善になったり悪になったりするのです。
そう見えている（感じている）のは、あなただから、あなたがそのように見たいから（感じたいから）です。
例えば、犬が鳴いています。
あなたにとってそれは
うるさい事でしょうか？
かわいい事でしょうか？
嬉しいことでしょうか？
怖いことでしょうか？
感じ方は人それぞれでしょう。その時の気分、状況によって同じ人でも感じ方は変わるはずです。
自分の記憶の集積ともいえる観念を通して見え方が変わっていくものでしょう。
それはもう日々、一分一秒ごとに変化していき常に同じではありません。
10年前うるさいと思っていた犬の鳴き声は、今は（同じものを二度と聞くことは出来ませんが）犬の可愛さを知って嬉しいと感じるかもしれません。
最近噛まれた経験から恐怖を感じるかもしれません。
なぜか犬が何を伝えたいのかを理解できるかもしれません。
全てはうつろう私たちの観念の色メガネ越しの幻想です。
そしてその眼鏡も人の数だけ存在し、はたまた気分にも左右され歪んだものしか人は見ることができません。
実際あるのは、あるがままの姿、現象にしかすぎないというのに。
そのことに気付けば「あ、私はいま目の前の出来事をこのように感じているんだな。」と
思い素直に感じてあげればいいのではないでしょうか。
それはあなたにしか感じることのできない唯一の大切な感情であり経験なのですから。 |
